日本最高峰!「千葉県少年少女オーケストラ」ってどんな楽団?

クラシック

こんにちは!バードです。

今回は日本最高峰の技術を誇っている「千葉県少年少女オーケストラ」について深掘りしてゆきます。

最後までお付き合いくださいませ!

そもそも「少年少女オーケストラ」とは?

その名の通り、「オーケストラの演奏」を「少年少女たち」でやってしまおう!
というもの。

「そんなの、子どもたちにオケの演奏なんかできっこないでしょ。。」

だの

「やれたとしても、どうせ学芸会レベルでしょ・・」

そんな声が聞こえてきそうですが、決してそんなことはありません!!!

演奏レベルは日本トップクラス。
世界でも通用するレベルです。

なんでそんな技術の集団が、
いち都道府県の団体で実現したのか、

順番に見てゆきましょう。

結成のきっかけから

結成したのは1996年。

都道府県レベルでは全国初の少年少女オーケストラとして発足します。
ここで音楽監督に迎えられたのは「佐治薫子(さじしげこ)」先生。

佐治薫子先生

この方、もとは小中学校の音楽教師でした。
しかも伝説の教師です。

何が伝説かって?

なんとこの方、音楽教員時代の40年間、赴任先の学校で40回以上もオーケストラの大会で全国優勝に導きました。

行く赴任先々で「文部科学大臣奨励賞」を数々受賞。
小学校に「オーケストラ部」を創設し、育成しては受賞、を繰り返します。

行く先々で受賞しまくるものですから、いつの間にか地元の千葉県では音楽が盛んになり、佐治先生は「伝説の教師」となるのです。

この先生が、いよいよ定年、となるにあたり、

「少年少女にもっと音楽を」のスローガンのもと、
公益財団法人「千葉県少年少女オーケストラ」が設立され、
佐治先生が満を持して音楽監督に迎えられました。

それから25年。

御年86歳になった佐治先生は、いまだに現役の音楽監督として君臨しています!

すごい!!

まあ、佐治先生あっての楽団ですね、まさに。

ちなみに本も出されてます。

団員はどんなこどもたち?

さて、団員のこどもたちはどんな子たちなのでしょうか。

こちらの楽団、応募資格は「10歳から20歳まで」。
これだけです。

ただし「千葉県内在住」もしくは「千葉県内通学者」に限ります。
地元密着。
まさに「千葉県発の少年少女オーケストラ」ですよね。

なお、オーディションはあります。
(やはり難関オーディションの模様。。。)

それでもみなさんアマチュア。

入団後に佐治先生指導の下、素晴らしい技術がめきめきと花開きます。

現在団員はおよそ160名。

週1回の練習を千葉県文化会館で行っています。

活動はどんな感じ?

毎年の定期演奏会がメインの活動ですね。
この定期演奏会では、毎年名だたる指揮者を迎えて行われています。

・下野竜也(2021年/2018年/2016年/2012年)
・角田鋼亮(2020年)
・井上道義(2019年/2017年/2013年/2009年/2007年)
・チョン・ミン(2015年)
・飯森範親(2014年)
・佐渡裕(2011年)
・金聖響(2010年)

そのほか、数々の演奏家を客演で招いています。

・小曽根真(ピアノ)
・長島達也(ピアノ)
・マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
・河村尚子(ピアノ)
・菊池洋子(ピアノ)
・漆原朝子 (バイオリン)
・湯本亜美(バイオリン)
・古澤巌(バイオリン)
・成田達輝(バイオリン)
・マリオ・ブルネロ(チェロ)
・川井真由美氏(チェロ)
・エディクソン・ルイス(コントラバス)
・川井夏香(クラリネット)
・木川博史(ホルン)
・吉永雅人(ホルン)
・パーチョ・フローレス(トランペット)
・村治佳織氏(ギター)

もはやそうそうたるメンバー・・

こんな人たちと演奏できるなんて、そりゃあ、日本最高峰、と言われる所以ですよね。

そして海外にも・・・

なんと海外公演も果たしております。
その演奏は世界中の音楽家から絶賛されるほどです。

・ヨーロッパ公演(2009年)
  ドイツ(デュッセルドルフ市/ケルン市)、ブルガリア(ソフィア市)
・アメリカ公演(1998年)
  ウィスコンシン州
・韓国公演(2005年)

佐治先生の指導術って?

佐治先生の指導方針はこの3つです。

1・良い演奏は「しつけ」から!

2・できても「練習」!

3・仲間と一体になる!

1.良い演奏は「しつけ」から!

先生が最も大切にしていること、それは「礼儀」、そして「素直に学ぶ姿勢」です。

これ、さすが「教育者」って感じですよね。
まさに音楽は「こころ」から。
まがった気持ちでは、まがった音色しか出ません。

生徒たちは音楽以前に、音楽と向き合うための「心構え」を学んでゆきます。

2・できても「練習」!

演奏がミスなくできた!
で終わりではありません。

「ただ弾ける」と「質を求めた弾ける」には大きな違いがあります。
先生は、「ミスなくできた」がスタートライン、を教えているんですね。

3・仲間と一体になる!

オーケストラは全員の心が一つにならなければ完成しません。
個々の演奏技術もさることながら、
「周りを聴く」
「周りと合わせる」
を重点的に指導します。

今後の活動について

コロナで講演自粛が相次ぐ中、千葉県少年少女オーケストラは年一回の定期演奏会を中止することなく開催しています。

毎年3月最終週。

演奏会は同時に二十歳となった団員の卒業公演でもあるのです。

どんなに演奏技術が高くても、二十歳になったら「卒業」。
25回の定期演奏会、すべてに参加できている団員はいないのです。

卒業生たちはきっと、演奏の思い出以上に佐治先生のこころ温まる指導を胸に刻んでいるのでしょう。

千葉県少年少女オーケストラと佐治先生のの今後の末永い活躍にエールを送りたいと思います。

千葉県少年少女オーケストラ 伊福部昭/ 管絃楽のための日本組曲から「盆踊」「七夕」「佞武多」

千葉県少年少女オーケストラ ショスタコーヴィチ/交響曲第1番 ヘ短調 op.10

以上バードでした!

タイトルとURLをコピーしました