懐かしい!「卒業ソング」4選

ポピュラー

春は「卒業」という、一年の中で大切な節目となる季節です。
世界のなかでも、春に卒業を迎える国はそんなに多くなく、日本はめずらしい国なんだとか。
一般的には「6月に卒業式→そのまま夏休みで9月に新学期」が多いようです。

でも、われわれ日本人は、やっぱり卒業式は「春」ですよね。
桜の花びらとワンセット。
切っても切れない関係です。

そんな「卒業」を題材にした懐かしのあの曲を4つ、集めてみました。

「卒業」斉藤由貴

1985年2月にリリースされた、斉藤由貴さんのデビュー曲です。
作詞は松本隆、作曲は筒美京平、という超売れっ子の最強のタッグで制作されました。
編曲は、当時まだ駆け出しの武部聡志さん。この曲のヒットから、現在の編曲家としてのヒットメーカーの一歩を踏み出しました。

斉藤由貴 – 卒業

なんといってもこの曲はイントロのアルペジオが印象的ですよね。
なんでもこの電子音のアルペジオは「朝の始業チャイム」をイメージしたんだとか。なんだか卒業間近の教室を思い出させますよね。
また、当時トレンドだった電子楽器だけではなく「鍵盤ハーモニカ」や「サクソフォーン」「フルート」などの生楽器を取り入れることで、学校のブラスバンド部をイメージさせる編曲をされたそうです。なかなかにニクい演出ですよね、武部さん。

そして斉藤由貴さん、今年デビュー35周年を記念してセルフカバーアルバムをリリースしました。
このアルバムをプロデュースをしたのが、なんと武部聡志さんです。
「卒業」はこのアルバムの1曲目に収録されています。
きっと武部さん自身にとっても、この曲は思い入れの強い曲なんでしょうね。

斉藤由貴「卒業 (from水響曲)」スタジオライブ(feat.武部聡志)【Short Version】

それにしても、デビュー当時の斉藤さん、初々しくてとてもかわいらしいですね。(もちろん、現在も変わらずお綺麗です!)
この曲のリリース直後、4月にあの伝説のドラマ「スケバン刑事」が放送開始となります。
斉藤さん、デビュー直後から一躍超売れっ子になってしまったのですね。

「卒業写真」荒井由実

二つ目は松任谷由実さん(当時は荒井由実さん)の数ある代表曲のなかのひとつ、「卒業写真」です。
1975年6月にリリースされた3枚目のオリジナルアルバムの中に収録された楽曲です。作詞・作曲はもちろん荒井由実さんです。
実はこの曲、荒井さん自身の曲ではなく、「ハイ・ファイ・セット」への提供曲でした。
荒井さんが楽曲提供した曲をいわば「逆輸入」で発表した曲なんですね。
だから初出は「シングルカット」ではなく「アルバムの中のいち収録曲」なんですね。納得。

当時はそういった「アルバム収録曲のなかのヒット曲」なんてのもけっこうありましたよね。
今度それらをまとめて記事にしようとおもいます。

ユーミン 卒業写真

歌詞は、「卒業ソング」のくくりにはされているものの、実際は卒業したあとのことを歌っています。
学生時代のたいせつな「あの人」が卒業写真の面影そのままでいるのを偶然町で見かけたのですが、世間にもまれて変わってしまった自分に気後れして声をかけられなかったという、青春の甘酸っぱい思いを綴っています。

「ああ、青春て、こんなに胸がキューンと締め付けられるんだ。。」

と、この曲を聴いて思ったかたはホントにたくさんいると思います。
これを若干21歳で作った荒井さん、やっぱりすごいですね。
芸術家、だと思います。

卒業写真 Hi Fi SET
「ハイ・ファイ・セット」の卒業写真

そしてこの曲、なんといっても日本で最もカバーされている曲のひとつです。
カバーしたアーティストを上げていったらキリがありません。。

「卒業写真」をカバーしたアーティスト(一部)
・いきものがかり
・徳永英明さん
・浜崎あゆみさん
・岩崎宏美さん
・松山千春さん
・コブクロ
・川嶋あいさん
・今井美樹さん

「木綿のハンカチーフ」太田裕美

3曲目は太田裕美さん最大のヒット曲、「木綿のハンカチーフ」です。
リリースは1975年12月で、累計で150万枚以上売れた大ヒットソングです。
実はこの曲のリリース直後に、あの「およげ!たいやきくん」が発売されてしまい、これほどの大ヒットをしたにもかかわらず、一度も「オリコン1位」をとることのできなかった不遇の名曲だったのです。。

★木綿のハンカチーフ★ 大田裕美/1975年(S50)

作詞・作曲は一曲目に紹介した「卒業」と同じ、松本隆/筒美京平の最強コンビです。

この曲が「卒業ソング」のくくりに入っている理由は、その切ない歌詞にあります。
都会(≒東京)に旅立ってゆく恋人と、故郷に残された女性との遠距離恋愛を対話形式で描かれています。

なんといっても故郷に残された女性の気持ちが切ない切ない・・・

「歌」というより、一曲が一つの「恋愛小説」のような構成となっているこの曲、一曲聞き終えると、まさに胸がキューン、となりますよね。。

ネタバレになってしまいますが、結局都会に行ってしまった彼の「こころ」は自分に戻ってくることはなかった、だからせめて涙を拭く「木綿のハンカチーフ」を、最後にかれにおねだりする・・

切ない、けれど今までの彼との思い出と「卒業」して、新しい恋へと「旅立つ」、すばらしい「卒業ソング」だと思います。

この曲、「卒業写真」と同様、数多くのアーティストにカバーされています。
もはやこちらも上げだしたらキリがありません。。

「木綿のハンカチーフ」をカバーしたアーティスト(一部)
・椎名林檎さん
・いきものがかり
・草野マサムネさん
・ASKAさん
・岩崎良美さん
・朝倉さやさん
・真心ブラザーズ
・原田知世さん
・天童よしみさん
・宮本浩次さん
・橋本愛さん

「なごり雪」イルカ

最後は言わずと知れた名曲「なごり雪」です。
こちらもともとは「かぐや姫」の楽曲です。
イルカさんによるカバーバージョンが大ヒットを記録して、「イルカさんの曲」として広く認知されていますが、本来は「かぐや姫」の曲です。(「もともとは」、という意味ですよ。あしからず。。)

1974年3月リリースされた、かぐや姫のアルバムの中の収録曲のなかの一曲でした。同年11月にイルカさんが「カバーバージョン」として発売、こちらが一大ヒットとなりました。

もはや当時は曲がブームとまでになり、イルカさんのファッションのオーバーオールまでヒット、さらに大林宣彦監督による「なごり雪」というタイトルで映画化もされました。(2002年公開)

作詞・作曲は「かぐや姫」のメンバー、伊勢正三さん。イルカさんバージョンの編曲は松任谷正隆さんが担当しています。

にっぽんの歌 2020  イルカ なごり雪

「今春が来て君は きれいになった
  去年よりずっと きれいになった」

この曲の舞台は駅のホーム。
先ほどの「木綿のハンカチーフ」とは逆に、曲の主人公は切ない別れの感情を歌った「男性側」の視点です。
汽車に乗って、彼女が男性のもとから去ってゆく。
彼はホームに残され、溶け行く雪を見るしかなかった。。。

彼もまた、彼女から「卒業」しなければならないでしょう。

しかしこれは決して「別れを悲しんでいる」だけの歌ではないと思います。
きっと旅立つ彼女には、新しい人生があり、残された彼も新たな生活が始まるわけです。

新しい何かを始めるためには、きっと何かを「卒業」しなければならないのでしょう。

そんなこころの機微を、「卒業」の季節をあらわす「雪解け」で表現した、この「なごり雪」は、まぎれもなく名曲ですね。

まとめ

懐かしい「卒業ソング」4選を紹介しました。
1.「卒業」斉藤由貴
2.「卒業写真」荒井由実
3.「木綿のハンカチーフ」太田裕美
4.「なごり雪」イルカ

桜の季節になると頭に浮かんでくる曲って、いっぱいありますよね。

みなさんにとっての卒業ソングって何ですか?

世代によってもきっといろいろと分かれてくるでしょう。

「四季」が明確にわかる日本って、ホントに素晴らしい国だと、改めて実感します。
季節の移り変わりで曲が思い浮かぶって、素敵なことだと思いませんか?

また別の記事にて、「季節にまつわるあの曲、この曲」まとめてみたいと思います。

以上、バードでした。

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